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4月の活動報告(1)

 数ヶ月前の自分の文章を胸を張って名文と言える人間はきっと実在しないし、実在するならせめてノーベル文学賞3連覇を果たしていてほしいという気持ちですが、それにしても自分の過去の記事を読むとあまりの読みづらさに辟易させられてしまいます。決して少なくない不必要に等しい婉曲表現、琵琶湖のブラックバスのように場違いで見当違いの比喩、極めつけは途中で力尽きたかのような体言止め。味わいのある文章とやらが書ければ多少婉曲的でも許されようというものですが、どれだけ味わおうと噛み締めてもゴムタイヤみたいな味しか広がってこないし、とにかく、レトリカルな前置きはこの辺にして、隅に厳重に安置しておいて、とにかく今月の活動報告をしたいと思います。

1日

 1月頃にtan-i.shopというドメインを購入していて、有効活用できてないなあと前々から思っていたので、エイプリルフールに合わせてちょっとイケてるモダンめなサイトを公開しました。Bootstrapのテンプレートをちょこっと弄っただけで、難しいことは何もしてないんだけど、それだけで気の利いた感じのデザインになって楽しかったです。Gigazineのエイプリルフール特設ページにも「スマートかつスタイリッシュな単位売買サイト」として紹介されてしまって、オイオイマジかという気持ちになりました*1
 tan-i.shop 公式ショップはこちらからアクセスできます。皆様のご購入をお待ちしております。

2日

 何をやっていたんだろう?twitterを見ると「布団だいすき」みたいなツイートにふぁぼ爆を食らっている様子があって、大切な何かを寝過ごしたことが推察されます。

3日

 確かこの日から新歓が本格的にスタートしました。前々からちょこまかした準備はやってたんですが、大切なのは新入生との直接の心の触れ合いがあるということで、そろそろ言っても許されると思うんですが、これは本当につらかったです。
 新入生はキラキラしている、という言葉の本当の意味というか、その裏に隠された恐るべき真実のようなものに触れました。思うに、我々はみんな最初キラキラしていて、友達を作りたいとか好きな勉強をしたいとかの希望があって、そんな外面は数度の失敗をきっかけに見えなくなってしまうんですが、決して夢も希望も無くなったわけじゃなくて、ただ目の前の現状を正当化して心を落ち着けるがためだけに、心の奥底の最終処分場に埋立処分されているんですよね。
 しかし新入生と接すると、処分場の外壁が一気に爆破解体されて、忘れていたはずの夢とか目標とかが意識の上で雪崩を起こして、心の除染は全く追いつかなくて、……とりあえずこの比喩を使うのはやめたほうがいい気がしてきたんですが、とにかく僕は新入生を目の前にすると自分の性根の拗らせっぷりとか捻じれっぷりみたいなものを嫌が応にも意識させられてつらかったです。
 新歓中の雑談で「ハードランディングだけは避けなよ」みたいな最悪なコメントを送っていたりして、本当に申し訳ない限りなんですが、しかし不時着に成功するよりはそもそも航空事故を起こさないことが遥かに意味のあるフライトなので、新入生の皆さんが目的地に着けることを心から願っています。しかしあえなく墜落してしまった新入生の方、ぜひともこれからよろしくお願いします。

4日

 おそらくビラロードでビラを撒きました。去年の今頃は思いきりビラ撒き反対な記事を書いていたので、開始前はかなりアンビバレントな気持ちになってましたが、しかし一般的に知られている事実として、不法投棄は楽しいです。
 地球環境に対する罪悪感の芽を片っ端から摘みながらビラを撒き、列が止まったら痛む心を背にして新入生に話しかけ、わりと理想的な行動を取れたのではないかと思います。
 新入生の中から絶滅の危機に瀕している文学部の新入生を洗い出し、授業の無意味さと図書館の偉大さを訴え、興味のある分野を教えてくれた人にはオタク特有の早口でその分野の大まかな青写真と動向を伝えました。
 今思うと明らかな嘘を何個もついていた気がするので申し訳ないです。新入生からやり直します。

5日

 翌日もビラの不法投棄が収まることはありませんでした。

6日

 忘れられない思い出というのは誰しもあるもので、なぜか僕の場合はその殆ど全てが悶えるほど恥ずかしい記憶なのですが、とにかく僕はこの日忘れられない体験をしました。
 言い忘れていたのですが、僕は先月末頃からアルバイトを始めていて、自分に時給を与えてくれるような社会(会社)が存在していいものかと思いつつも週2でこそこそ働いていました。
 で、この日の僕は、なにせこの日も含めて3日連続で早朝の朝8時に起きて、いつもの癖で深夜まで無駄に起きていたので体調が悪くて、声帯も徐々に破壊されつつあったし、で、つらくて、つらいけど職場に行って、更衣室に入って、あまりにもつらい思い出だから、筆致がイライラ棒を始めてるんですけど、まあ、カーテン越しに差し込む太陽、穏やかな春の陽気、青空を我が物顔で飛び交う鳩、でも防紫外線の部屋はちょっと暗くて、僕はちょっとした感傷に浸りながら、一人で服に袖を通していた。
 そのとき現れてきたものは、何てことない感覚、見慣れた違和感。消化器系の末端に感じた空気を、僕は静かに送り出そうとして、

 頭が真っ白になった。何も考えられなかった。更衣室から出た。真っ先にトイレへと向かった。途中で社員に会った。駆け抜けた。その風を彼がどう感じたのか、それを知る術は全く存在しない。今はトイレに行きたかった。それしか頭に無かった。まるでそこに行けば、全て元通りになると思っていたかのように。

 結局僕は早退した。体調不良、とだけ言い残して。社員の顔は見られなかった。結局、最後まで。次の瞬間、僕は家にいた。風呂に入って全身とパンツを洗い流した。思っていたよりも処理は簡単だった。それはすぐに流れて消えていった。まるで最初から存在しなかったのようだった。僕は寝不足だった。現実感が欠けていた。世界の実在も、出来事の記憶も。全てがあやふやだった。  風呂から出る。全身を拭いた。不安は拭えない。考えるのが嫌だった。ひどく眠かった。倒れるように眠った。眠りに落ちながら分かった、これは現実だと。小刻みに震える脚、固く締められた手、何も言葉を発さない嗄れた声帯。制御できない僕の身体は、しかし現状の把握においてはいつも僕の先を越していたから。

(2)につづく

*1:ちなみに、Gigazineには自分が自作自演で報告しました。